前回、Webマーケティングとは、「インターネットを使って、商品やサービスを売る仕組みをつくること」。Webマーケティング成功の鍵は、「誰に・何を・どう届けるか」を戦略的に設計し、伝えるべき人に“価値が伝わる状態”をつくることであるとお話させていただきました。今回は、具体的にどのようにWebマーケティングを実践していくのかご紹介していきます。
Webマーケティングのファーストステップ
Webマーケティング全体を通して重要なのは、「誰に、何を、どう届けるのか」を戦略的に考えることです。その中でも、最初のステップとして取り組むべきは「誰に(ターゲット)」を明確にすることです。商品やサービスを必要としているのは、どんな人でしょうか?性別や年齢、ライフスタイル、価値観など、できるだけ具体的にイメージしてみましょう。
ターゲット像がはっきりしたら、次は戦略を立てるために必要な情報を整理します。ここで役立つのが、3C分析やSWOT分析など、マーケティングでよく使われるフレームワークです。これらを活用すると、顧客や競合、自社の強み・弱みを客観的に把握でき、ターゲットに対して最適なアプローチ方法を導き出せます。
3C分析とは
3C分析とは、ビジネスを3つの視点から考える方法です。3つの視点とは、「顧客(Customer)」「自社(Company)」「競合(Competitor)」のことを指します。
まず「顧客」では、市場の規模や顧客のニーズなどを捉えます。 「自社」では、自社の資金や生産能力、ブランド力などのリソース。そして「競合」では、同じ市場にいるライバル企業の特徴や立ち位置を把握していきます。この3つをバランスよく比較しながら整理することで、 「自分達はどこで勝負すべきか?」「どんな見せ方や伝え方が効果的か?」といった戦略が見えてくるでしょう。
SWOT分析とは
SWOT分析とは、ビジネスを取り巻く環境を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」の4つの視点で整理するフレームワークです。まず、「強み」と「弱み」は、自社の内側にある要素を見つめるものです。例えば、技術力や経験などが“強み”にあたります。 一方で、“弱み”には、まだ足りていない知識や経験、不足しているリソースなどが含まれます。次に、「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」は、自社の外側、社会情勢や市場への他社の新規参入などを含む外部環境などを指します。例えば、SNSの利用者が増えているといった時代の流れは“機会”になります。しかし、同業他社の新規参入などは“脅威”となるかもしれません。このように、自社の強みや弱みをしっかり把握し、外部環境の変化にどのように対応していくか戦略を練ることがSWOT分析では可能です。
見せ方・伝え方の工夫とは
戦略が決定したら、次にターゲットに「どのように伝えるか」見せ方、伝え方を工夫します。大切なのは、“相手が知りたいこと”を主軸に情報を整理することです。 また、どの媒体(Webサイト・SNSなど)で伝えるかによっても、最適な伝え方は異なるので注意が必要です。
例えば、商品やサービスの紹介ページ、いわゆる「ランディングページ(LP)」は、訪問者に購入や申し込みなどの行動を促すためのページです。広告や検索から訪れた人に対して、商品やサービスの魅力や必要な情報をひとつのページで伝える役割を持ちます。
一方、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSは、直接的な売り込みの場というよりも、「信頼関係を築く場」としての役割が大きい媒体です。役立つ情報や親しみを感じられる日常の投稿などを継続的に発信し、顧客に商品や企業のファン・リピーターになってもらうことを目的としています。
効果の分析と改善
Webマーケティングで成果を上げるために欠かせないのが、それぞれの施策に対して効果を分析し、改善を重ねていくことです。WebサイトやSNS、広告などを通じて発信を行っても、それが本当にユーザーに届いているのか、どこで関心を失ってしまっているのかを把握できなければ、次の一手を正しく打つことはできません。
こうした現状の把握には、Google社が無料で提供しているアクセス解析ツールGoogle Analytics(GA4)などのツールを活用すると非常に便利です。 ユーザーが「どこから来たのか」「どのページで離脱したのか」「どんな端末で見ているのか」などを数値として確認できるため、課題や改善ポイントを客観的に把握することができます。こうして得られた情報をもとに現状を把握し、仮説を立て改善を繰り返すことこそがWebマーケティングを成功に導く秘訣です。
Webマーケティングのスキルを身につけるなら
今回ご紹介したWebマーケティングのスキルを身につけることができれば、インターネットを使った効果的な宣伝・販売が自身でできるようになります。今はほとんどの企業やお店がWebでの展開を主軸としているため、こうしたスキルがあると仕事のチャンスが増え、さまざまな場面で活躍できるでしょう。
ただ、Webマーケティングは専門的な知識や技術も多いため、独学だけで習得するのは簡単ではありません。
資格とキャリアのスクールnoaでは、現役のWebコンサル会社で活躍するマーケターを講師に迎え、Webマーケティングの基礎から実践までを体系的に学べる「Webマーケティング入門講座」があります。コラムでご紹介した内容に加えて、AIを活用したデザイン作成など、今の時代に欠かせないスキルにも取り組んでいただけます。また、実際に広告バナーを作成・配信し、その成果を分析・改善するというWebマーケティングの流れも体験することができます。
〜専任のキャリアアドバイザーも在籍していますので、気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。~