皆さん、ウェルビーイングという言葉を知っていますか?価値観の多様化によりワークライフバランスの在り方や企業の労働環境の見直し、持続可能な世界を目指すSDGsの登場などで、昨今注目を浴びるようになった言葉です。今回はこのウェルビーイングについてご紹介していきます。
ウェルビーイングとは
ウェルビーイングの起源は古く1946年の世界保健機関(WHO)設立の際に初めて謳われました。ウェルビーイング(Well-being)は、well(よい)とbeing(状態)からなる言葉で、「個人や社会にとって、よい状態である」ことを指します。「よい状態」というのは心身の健康状態がよいということだけではなく、社会的にも良好な状態を維持していることを意味し、個人として、社会としてみんなが目指すべき姿とされています。
なぜ、今ウェルビーイングが注目されるようになったのか
1946年に登場したウェルビーイングが、今になって注目されるようになった背景には、さまざまな要因が考えられます。ひとつには個々のワークライフバランスを重視した働き方改革の推進。さらには2015年世界の共通目標として、国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の存在が挙げられます。SDGsは「誰一人取り残されない社会を」というキーワードをもとに、経済・社会・環境の3つのバランスがとれた社会を目指すもので、その目標を達成することは、世界をよりウェルビーイングにすると考えられています。
ウェルビーイングをどのように測るのか
一人ひとり感じ方が異なるウェルビーイング。国ごとの幸福度を比較するための指標や、個人のウェルビーイングを実現するための指標などさまざまなものが存在します。ここでは個人がどの程度ウェルビーイングな状態であるかを測る代表的な指標のひとつ、ポジティブ心理学の分野で活躍するマーティン・セリグマンによって示された「PERMA」を紹介します。PERMAの指標は5つの要素<Positive Emotion(ポジティブな感情)・Engagement(物事に没頭すること)・Relationship(良好な人間関係)・Meaning and Purpose(人生の意味や仕事の意義、および目的の追求)・Achievement/ Accomplish(何かを成し遂げる達成感)>から構成されています。これらの要素を追求することで、ウェルビーイングを高めることができるとされています。
教育機関や企業で広がるウェルビーイング
このようにして世界で注目されているウェルビーイングですが、今、日本の教育機関や企業でも、ウェルビーイングへの取り組みが広がっています。
教育機関におけるウェルビーイングの取り組み
2019年、経済協力開発機構(OECD)が世界的な学びの枠組みを示した「ラーニングコンパス2030(学びの羅針盤)」では、「教育の目的は、個人のウェルビーイングと社会のウェルビーイングの2つを実現することである」としており、まさにウェルビーイングは教育の目的そのものだと唱えています。文部科学省でも2023年の教育振興基本計画で「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」を掲げています。
このような方針のもと、教育現場では「自分について深く理解すること」「他者と仲良くやっていくために大事なこと」「目標に向かってやり続ける力」といった、学力に加えて自己形成における内面的な成長も重視したカリキュラムが導入されつつあります。また、こういった取り組みを成功させるには、教職員の意識の転換、そして教職員自身のウェルビーイングの向上が不可欠で、社会全体で支援し続ける必要があります。
企業におけるウェルビーイングの取り組み
企業でも、従業員が身体的、精神的、社会的な面で満たされるように組織の環境を整えていく「ウェルビーイング経営」が増えつつあります。復職支援や過重労働・メンタルヘルス対策、ジムやカフェの増設、勤務時間や場所のフレックス化、健康増進プログラムの導入など、多くの取り組みがなされています。心身ともに健康な状態で、モチベーションの高い従業員が増えれば、離職防止、生産性向上といった効果が期待できます。
それぞれのウェルビーイングを実現するために
世界中のあらゆる世代で注目されるウェルビーイング。どのような状態を「心身ともに健康で満たされいている状態」と捉えるのか、個人それぞれの価値観が大きく反映されますが、この機会にあなたにとって最適なキャリアを見つめ直すのもいいかもしれません。「本当はこんなやりがいのあることがしたい。」「こんな働き方が理想だな」という想いがある方、「どういった仕事がしたいかは漠然としているけど、現状を変えてみたいな」と考えている方は、<資格とキャリアのスクールnoa>のキャリアアドバイザーにご相談ください。
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