経理として働いてはいるものの、マニュアル通りに処理をこなすだけになっている。業務の全体像や、一つひとつの処理の意味までは理解できていない。こうした状態は、決して珍しいものではありません。
今回は、経理担当者によくある悩みを取り上げながら、実務の意味を体系的に学び直す必要性についてお話しします。
経理担当者によくある悩みとは

ここでは、経理担当者が抱えがちな悩みを2つご紹介します。
マニュアルにない取引に対応できない
ひとつ目は、契約内容が特殊な取引や担当者が初めて扱う種類の経費など、マニュアルに載っていない想定外のケースに直面したときです。
こうしたイレギュラーな事象への対応は、その取引でお金がどのように動き、会社の数字にどう反映されるのか、という流れ全体を理解しているかどうかが問われます。
手順だけを覚えている状態では、そうした場合に、どの部署に確認すべきか、どの勘定科目で処理すべきかといったことが分からず、正しい対応ができなくなってしまいます。
引き継いだやり方が適切か判断できない
ふたつ目は、前任者から引き継いだのが処理の方法だけで、なぜそれが必要なのかまでは教わっていないというケースです。
そうした場合、その処理が今の状況に合っているかどうかを自分で見極める材料がありません。ですので、上司から「その手順は必要なの?」と問われたときに、答えに詰まってしまいます。また、改善したほうがいい点があっても、気づく手がかりがなく、同じやり方をずっと続けてしまうことになります。
実務の「意味」を学ぼう

では、このような経理担当者の悩みは、「なぜそうするのか」まで理解できていれば、どのように変わるのでしょうか。
「意味」が分かると何が変わるのか
背景を理解できていれば、前例のない取引にも根拠を持って対応でき、引き継いだやり方についても、今の状況に合っているかを自分で判断できるようになります。
周囲から理由を尋ねられたときにも、根拠を踏まえて説明できるようになるでしょう。それは、経理担当者としての大きな信頼にもつながります。
また、こうした力は任される業務の幅にも関わってきます。業務をこなすだけの立場から、経営を支える経理担当者へとステップアップしていくきっかけにもなるはずです。
なぜ日々の業務だけでは身につかないのか
とはいえ、こうした理解は、日々の仕事を重ねるだけでは、なかなか身につきません。
マニュアルが示すのは「何をするか」であって、「なぜそうするか」ではないからです。「この支出を、なぜ費用ではなく資産として計上するのか」。その答えは、会計のルールの側にあります。作業をどれだけ繰り返しても、そこから根拠へさかのぼることはできません。また、扱える範囲にも限りがあります。実務で出会うのは、自社でたまたま発生した取引だけです。経験は出会った順に、飛び飛びに積み上がっていきます。
だからこそ、それぞれの意味を基礎から順序立てて学び直す機会が必要になるのです。
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