産業や企業の生産性をアップさせ、より良い社会づくりを目指す生成AIについて話し合う『生成AIサミット(GenAI/SUM=ジェンエーアイサム) 2024』が、日本経済新聞社の主催で11月に開催されました。
noa+connect(ノアプラスコネクト)を運営する株式会社ワークアカデミーは、教育現場へのAI導入や女性の活躍支援に力を入れている教育企業として、トークセッション『生成AIで変わる企業と働き方!〜女性が実現する新しいワークライフバランス〜』に参加しました。
当社執行役員の柴橋静華(以下、柴橋)をはじめ、株式会社MEDICARE LIGHT ブランドマーケティング部 部長・MARKK AI事業部 AIプロデューサー/生成AIコーディネーターである河村 大馬氏(以下、河村)、株式会社AsMamaの役員 Founder &CEOの甲田 恵子氏(以下、甲田)の3名が、生成AIがもたらす変革について熱く語り合いました。
リモートワーク+AI=未来の働き方。株式会社AsMamaの挑戦
柴橋:今回のトークテーマは「生成AIを活用することで働き方がどう変わっていくのか」ですが、実際に株式会社AsMamaでは、どのような取り組みが行われているのか、お伺いしていきたいと思います。
甲田:当社では、テレワークという言葉が世の中に広まっておらず、社員は会社に出社して働くのが当たり前という時代から、全社員がリモートワークで業務を行ってきました。
柴橋:全社員リモートワークというのは画期的ですね!なぜそのような働き方を選択されたのでしょうか。
甲田:「誰もが仕事も育児もやりたいことを叶えられる・人を孤立化させない社会にしよう!」という想いを持つ人を集めてスタートした会社ですので、社員の皆が時間的な制約のある中、通勤時間を無くすことのできるリモートワークという働き方を選択しました。また、同時に業務を効率的に行うため情報の共有やリサーチなどさまざまなシーンでAIを活用することも社員に勧めてきました。
ITが苦手な社員も巻き込んで、DX・AI化を成功させた秘密
柴橋:社内でDX・AI化を推し進めた時に起こった問題などあれば、教えてください。
甲田:DX・AI化を推進する中でもっとも大きな壁となったのが、ITを得意としない社員達の抵抗感でした。その抵抗感はものすごく大きかったので、私は社員の中でITリテラシーが高く、AIに興味のある人にまずはAIを使って業務を行ってもらうことにしました。
柴橋:AIが得意な人達がエバンジェリストに選ばれたんですね。効果はどうでしたか。
甲田:実際にAIを取り入れた社員の業務効率がすごく上がり、そのことを彼らが他の社員に話していったことで、気が付いたら社内でAIを活用している人がすごく増えていました。皆、自分達の生産性を上げていきたいという想いは強いですから。
柴橋:なるほど。エバンジェリストの活躍と生産性を上げたい社員の想いがスムーズなAI化を実現させたんですね。ところで、甲田さんの大学生のお子さんも生成AIを使っているとお伺いしました。
甲田:はい。私からするととても斬新な使い方なのですが、ChatGPTと、日々の暮らしの困りごとなど、まるで友達と話すかのように、対話しモチベーションアップを図っています。このようなAIを本当に自然と使いこなせるような世代を採用することで、会社の経営効率も飛躍的にあがるのかなと可能性を感じています。
母親の切実な願い。AIに頼りたいタスクとその未来
柴橋:今回の大きなテーマのひとつ「家事と育児・仕事の両立」にどうAIが関わっていけるかですが、当社で働く母親をターゲットに行った「AIに助けてもらいたことは何ですか?」というヒアリングの結果を共有したいと思います。まず、目の当たりにしたのはAIに自動化して欲しいと皆が思っているあまりに多くのタスクでした。例えば、料理ひとつでも献立を考える・冷蔵庫の中の在庫を確認する・足りないものを発注するといった一連のタスクが挙げられました。また、誰かが病気になったら、その症状に合わせた口コミの良い病院を見つけて・予約して欲しいなどイレギュラーなことにもAIを活用していきたいという声もありました。
河村:本当にたくさんのタスクを抱えていることに驚きますね。
柴橋:そうですね。こういった多くの雑務をAIにこなしてもらうことで、家族と過ごす時間を持ちたいと大勢の母親が切実に考えています。実際、AIはこのようなタスクをどこまで代行していくことができるのでしょうか。
河村:AIは進化し続けているのですが、今の段階でお答えするなら、すぐにでもAIで解決できるものもあります。ただ、全てを語らずともスマートフォンの中から蓄積された情報を解析し、適切な回答を自動的に導いてくれるようになるまでには、これから5年から10年ほどはかかると考えられます。
AIを導入するならここから!効果的なスタート方法と成功のコツ①
柴橋:最後に、これからAIを導入していく企業はどのようなことに注意してAI化に取り組んでいくといいのか。アドバイスをいただけますか。
河村:AIの導入については、会社全体で一斉にAI化しますよ!というのではなく、AIの効果が一番実感できそうな部署からミニマムにスタートさせるとスムーズですね。
柴橋:一番効果が実感できそうな部署というのは例えばどこでしょうか。
河村:例えばマーケティングの部署なんて分かり易く効果が出ますね。AIが一部の仕事を担ってくれることでコストや時間が大幅にカットできます。そういった所から始めるのが成功への鉄則だと思います。
AIを導入するならここから!効果的なスタート方法と成功のコツ②
柴橋:企業でAI化を進めていくために、さらにお伺いしたいのですが、AIを使いこなせる人材について教えてください。
河村:そうですね。AIを使う能力に長けている人材、それは一言で言うと管理職の方が多いです。なぜなら、AIを上手に使うために必要なスキルは、正しく言語化して指示する能力、AIが行った仕事を評価・判断するスキルだからです。
柴橋:そう言われると、確かに管理職の方にAIの活用は向いていそうですね。普段の業務で求められるスキルとイコールですから。
河村:はい。ですので、管理職の方がまずAIを使ってみることで、効果を実感して貰えたらなと思います。その上で社員に広げていくといいでしょう。
noa+コネクトでは、今後も最新トレンドを押さえた記事や、イベントの実施、講座の開設など、さまざまなコンテンツを展開予定です!
~2月からは経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」にて、今回のトークセッションにも登場した生成AIを駆使したマーケティングのプロ河村 大馬氏がプロデュースした生成AI講座「マーケティング×生成AI ChatGPT習得 プロフェッショナル基礎講座」がスタートします。お見逃しなく!~
出演者
甲田 恵子氏
株式会社AsMamaの役員 Founder &CEO
出演者
河村 大馬氏
株式会社MEDICARE LIGHT ブランドマーケティング部 部長・MARKK AI事業部 AIプロデューサー/生成AIコーディネーター
モデレーター
柴橋 静華
株式会社ワークアカデミー 執行役員
※内容および出演者の所属・肩書は2024年12月現在のものです。